高野山夏季大学
8月4日(金)~6日(日)
4日
毎日新聞主催の第97回高野山夏季大学に初めて参加しました。午前中に高野山について、ざっくり、壇上伽藍、金剛峯寺、奥の院を見学。壇上伽藍と金剛峯寺は明日じっくり見ることにして、奥の院をじっくり見て回りました。
浅野内匠頭や法然上人、親鸞聖人等の供養搭、一つ一つの立派な墓にびっくり。たくさんありすぎて、織田信長や明智光秀、伊達政宗等の有名どころを見逃してしまいました。
高野山自体が、一つの大きな集落となっていて、こども園から小、中、高、大学のほか土産物屋さんから銀行、郵便局、なんでもあります。
夏季大学は、高野山大学の松下講堂でありました。
毎日の料理を美味しいものにと気負う必要はない。一汁一菜、すなわち「飯、汁、香」は、美味しいより体を作るものとして作る。ただ、更に季節を楽しむ一皿をつけることで、食事を楽しむことが出きる。今、ここにあるものを喜ぶことの大切さ。生きるための食事と楽しみを分けて考え、合理的でありながら、季節を楽しみ喜ぶ、囚われない姿勢を料理の面から言及していました。なかなか、話がおもしろく引き付けられました。
二番目は、元陸上選手の為末大さん。
シドニーオリンピックでの転倒の話から、基本に忠実に自分に念じて練習することの大切さと、しかし、囚われ過ぎてしまうことへの危険。では、どのように練習するか。具体的な小さな目標に目を向ける。オリンピアンに限らず、普通の人でも自分の体に向き合い、小さな目標に集中することで、ゾーンの状態のごとく幸せな感覚を得ることが出きる。
以上の講義のあと、宿泊する宿坊「成就院」に。夕飯はしっかり精進料理。
夕飯のあとは、壇上伽藍のライトアップを見に行きました。
5日(土) 晴れ
朝方は、本当に爽やかで気持ちがいいです。朝の散歩のあとは、7時から朝食。昨晩同様、一番乗り。
精進料理。昨晩は黒豆だけど、今朝は煮豆。がんもどきの含め煮がたんぱく質。薄い味付け海苔が野菜?
高野山大学のそばにある金剛三昧院に行きました。ここは、北条政子が、頼朝、の霊を慰めルために建てたとか。
拝観料500円のため、外から拝観です。確かに屋根の形は、銀閣寺と似ています。鎌倉時代の形なのでしょうか?
今朝の講義は大阪市立美術館長の内藤栄さんです。「仏教と布施」
布施とは、修行の一つで、自分のものを「喜舎」することで、菩薩となる。
鑑真が渡来したのは、自身の修行としてきたのだ。
また、東大寺の大仏は、国民に無理強いしたのではない。聖武天皇は「私は天下の財を使って建てることができるが、それでは意味がない。皆が喜舎することにこそ意味がある」とのべ、布施をした人々を記載している。
また、正倉院の宝物は、聖武天皇が死後、聖武天皇の宝物を寄進する。
以上のように、布施により大仏は作られ、宝が後世に引き継がれた。
浅田次郎「時代小説の世界」
徳川家康は、「悩んでも仕方がないことにはすばやい決断を下した」
例えば、小田原征伐の際、秀吉に関八州への左遷を命じられても、即答で引き受け、当時どやつを発展させた。また、欧米の植民地政策から逃れるために鎖国を実施し、250年にわたる太平の世を築いた。
また、幕府の組織では、老中と若年寄のツートップも各々4.5人用意し、それが月替わりで仕事をすることで権力の集中を防いだ。
現在の時代劇ブームは、殺傷沙汰ではない江戸時代を背景にしており、それが女性にも受け入れられる要因である。そういった背景を知りながら、時代劇に親しみたいものだ。
お昼ごはんは、宿坊で精進カレー。
肉、タマネギは使わず、豆腐とミックスベジタブルが入っていました。
前橋汀子「私とバイオリン」
幼稚園で偶然習い始めたバイオリンの世界、それは少女時代から、たくさんの人々との出会いにより広がっていった。
最後に演奏されたバッハの「シャコンヌ」。高音部は、その特徴である人の心の琴線に触れるように響き、低音部は優しく心を撫でてくれる。その音域の広さに、活動歴50年の凄さを感じられた。
市毛 良枝
「登山を知って見つけた自分らしさ」
子供の頃から、「自分は運動は苦手なんだ」と考えていた市毛さんが父親の入院をきっかけに知り合った医師達の言葉から、山に登り始める。すると、「自分の体の持つ能力を認められるように」なり、そこから「山の魅力を人に語るように」なっていった。今までは、「やってもできないんじゃないか」と考えてやらなかったが、それからは「やらなきゃできない」と考え、様々なことにチャレンジし、交遊を広げていった。百歳でなくなった母親は何度も脳梗塞をおこしていったが、それまでの趣味がリハビリに意欲を持たせ、生きる活力となった。
最後まで好奇心を持って生きる。
人生は楽しんだもの勝ち
そして、学びが遊びになる。
本日の夕食。
6日(日) 晴れ
朝、6時起床。大門を見に行く。
壇上伽藍の中門を見て、大きいと感じていたが、大門はさすがに規模も大きくどっしりとしていた。
七時から朝食。
7時30分に出発。
緩い山道を上がると女人堂。ここで息子と別れて見送った昔の母親の気持ちを今の自分になぞらえ、手を合わせた。
その横にあるのが、徳川家霊台。
本日の講義
理論物理学者 橋本幸士
「宇宙を支配する数式」
宇宙の真理を発見するとは、「正しい式を書くこと」。一度その数式が正しいとなると、それは宇宙全体に適用される。宇宙を支配する式は長いが、たった一つだけである。その宇宙は素粒子でできている。